こんにちは、安西健塁です。
前回から自分のペースにしては割と早く更新することができました。笑
さて、前回の更新でEBC今シーズン最初のプロダクションツアー、Dark Side Of the Moonの記事をアップすると言っておりましたが、今回は安住工房さんのリクエストで、時期的にリアルタイムな2つめのプロダクションツアー、EBC版くるみ割り人形についてお話いたします。
EBC版くるみでは、前回でもお話したように、主役が男女2キャストづつありまして、1カップルは、皆さんも一度は耳にしたことのあるであろう、有名な「金平糖のパドドゥ」を踊る、Sugar Plum FairlyとCavalierで、もう1カップルは、物語の主軸となる、少女クララとそのクララを夢の世界へ導くドロッセルマイヤーの甥、ハンズです。
僕は今回、このハンズ役をキャスト1の日程の時にやらせていただいてます。(今回のくるみ割り人形では2キャスト組まれています。)
先週から早くもくるみ割りツアーは始まっていて、現時点でオレゴン州内で4公演日程が終わりました。明日からはアイダホ州へ9日間ツアーに出て行きますので、その時の様子もまたアップいたします・・・!
さて、EBC版くるみのストーリーなのですが、まずは1幕を簡単に説明したいと思います。
大きく構成分けするとこのような感じになります。
①ドロッセルマイヤーのおもちゃ屋さん
②シュタールバウム家のクリスマスパーティーシーン
③ねずみ達と兵隊の戦争
④雪のシーン
になります。ここまではよく知られるくるみ割り人形とほぼ同じですね。
①のドロッセルマイヤーのおもちゃ屋さんについてですが、EBC版は、ドロッセルマイヤーとハンズが、おもちゃ屋でパーティーの準備をしている所から物語は始まります。パーティーの準備に精を出しているドロッセルマイヤーをよそに、ハンズはくるみ割り人形や周りのおもちゃで遊ぶ事に気を取られ、怒られる・・・という、よくありそうなシーンです。(ちなみに、このハンズは年齢は16歳だそうです)パーティーシーンではJack in the Box(日本語で、びっくり箱の意)という、通常兵隊人形の踊りで使う曲で踊る役どころがありますが、ドロッセルマイヤーがおもちゃ屋さんという事もあって、この踊りはまさにびっくり箱のような踊りになっています。
②のパーティーシーンですが、クリスマスパーティーがシュタールバウム家で開催され、客人とその子供達の踊り、クララとその弟フリッツの踊りなどはどのバージョンでも見られるように、EBC版も同じです。EBC版で面白いところは、やはりハンズがパーティーシーンで登場し、クララと恋に落ち、それがその後の展開の伏線になっていく・・という所ではないかと思います。ドロッセルマイヤーが子供たちに手品を見せたり、自家製の人形、Jack in the Boxの踊りとシーンが展開していく中で、ハンズはクララからマフラーのプレゼントをもらったお礼に、ドロッセルマイヤーと共にクララにくるみ割り人形をプレゼントします。フリッツや男の子達のいたずらで1度くるみ割り人形が壊れてしまいますが、ドロッセルマイヤーの手品で直ってしまう、というのはお約束ですね。
ハンズはクララにベタ惚れながらもドロッセルマイヤーの指示でパーティーはお開きに。クララはもらったくるみ割り人形を抱きながら眠りにつきます。
③の戦争シーンですが、これはもうほぼオリジナルのバージョンと変わりません。寝ているクララを急遽襲い掛かる等身大サイズのねずみ、そしてねずみの王様の登場、その軍に立ち向かう等身大サイズになってしまったくるみ割り人形率いる兵隊軍・・・しいて言うならば、ねずみの王様、ねずみ軍が声を出して叫ぶ・・・といった所でしょうか。笑 ねずみの王様のヒーヒッヒッヒ!!という声は、大砲の装置の音よりうるさくてかないません。笑
互角の戦いをしている両者ですが、やはりお決まりのように、クララのポアントシューズがねずみの王様の頭を直撃し、ねずみ軍が敗北し、撤退していきます。
④雪のシーンの冒頭は、戦いで瀕死状態になったくるみ割り人形に寄り添い、クララが悲しんでいるシーンから始まります。この時くるみ割り人形のみにくいお面が外れ、くるみ割り人形の中身はなんとハンズだった事にクララが気づき、2人のパドドゥが始まります。
ハンズは夢の国へクララを導いていく進路で、雪の国を通ります。この雪のシーンも少し変わってして、通常は雪の精たちの踊りとなっていますが、EBC版は、雪を掛けるスケーター達の踊りとなっています。女性群舞のイメージの強いシーンですが、男女ともにカップルになって踊ったり、男性群舞のみ踊る場面もあったりと、通常より力強い雪のシーンになっているのではないかと思います。
雪のシーンラストは、ハンズ、クララ達が雪の民達にお別れを告げ、夢の世界へ旅立って行くところで、1幕は終了します。
このようなハンズが加わった事による独特なストーリー展開が1幕の見どころなのではと思います。踊っている側は、最初から最後までステージに出ずっぱりなのでかなり体力を消耗しますが・・・笑
次回は2幕のお話と、ツアーの感想も含めてアップできたらなと思っております!
それではまた次回に・・・。失礼いたします。!
くるみ割り人形本番初日前日のドレスリハーサルにて。
安西健塁